とうしょう

凍傷

最終更新日:
2023年03月28日
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2023/03/28
更新しました
2017/04/25
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概要

凍傷とは、寒冷にさらされたときに皮膚や皮下の組織が凍結することによって生じる傷害です。極寒下や強風、高冷地で受傷することが多く、長時間寒冷にさらされた部位の組織が凍ります。

凍傷を負ったかどうかは見た目で比較的容易に判断でき、軽度では皮膚の赤みや腫れ、水ぶくれがみられ、重度になると組織の壊死(えし)(死んでしまう)によって皮膚が灰色や黒色に変化します。

軽度であればぬるま湯で温めることで回復が期待できますが、重度になると手術による切除・切断が必要になることもあります。

原因

凍傷の主な原因は、氷点下の外気にさらされ続けることです。雪山での遭難や寒冷地での漁業遭難、冷凍室での事故、冬季スポーツ時などによく起こります。

また、日常生活においても凍傷の原因が多々潜んでいます。たとえば、アイシングを行う際に氷やアイスパックなどを直接皮膚に長時間当て続けた場合や、ドライアイスに触れた場合、長時間の雪かきなどで凍傷が起こることもあります。

このように寒冷にさらされ続けると、体内の温度を外に逃さないように血液が収縮し、血流が悪くなるために組織がダメージを受けます。また、組織の毛細血管内に血栓(血の塊)が生じることがあり、この血栓によって血流が阻害されるとその部位が壊死し、皮膚が灰色や黒色に変化します。

凍傷は体のどの部位にも起こり得るものですが、特に手足や顔、耳など露出している部位に起こりやすく、指輪などの金属をつけている場合や濡れたものに触れている場合には凍傷が加速します。また、糖尿病動脈硬化、血管れん縮がある人では凍傷のリスクが高まります。

症状

凍傷の症状は、凍結した組織の深度や量によって異なります。皮膚は表面から“表皮”“真皮”“皮下組織”の3層構造になっていて、凍傷が表皮までのものを1度、真皮までのものを2度、皮下組織(脂肪・筋肉・骨)にも達しているものを3度と呼びます。

凍傷がもっとも浅い1度では皮膚の赤みや腫れがみられ、加温することで痛みが生じます。2度ではしばしば水ぶくれができます。もっとも深い3度においては血の混じった水ぶくれ、潰瘍(かいよう)(皮膚がえぐれた状態)のほか、組織が壊死することで皮膚が灰色や黒色に変化する壊疽(えそ)を認めます。

検査・診断

凍傷の診断には特別な検査を必要とせず、受傷の経過や特徴的な外観から診断されます。

しかし、受傷早期には凍傷の深度や予後を推測することが難しく、これらが明らかになるまでに数日かかる場合があります。その間に深度が進行し、予後が悪くなることもあります。

治療

患部が凍傷状態にある場合には、まず患部を37~39℃のお湯で温める急速融解法が行われます。この際に、お湯の温度が下がらないように温度をモニターすることも大切です。

血流をよくするために、症状に応じて抗血液凝固薬の点滴や血管拡張薬の内服、麻酔薬を注射して特定の神経を麻痺させる神経療法などが行われることもあります。

あまりにも凍傷が深い場合、このような治療では回復が期待できません。この場合には壊死した組織を取り除くために、手術による患部の切除・切断が必要になることもあります。

また、複数の指が虚血(血液が十分に供給されない状態)になる場合や、四肢の中枢で虚血になる場合には、薬で血栓を溶かして再び血液が流れるようにする“血栓溶解療法”を行うという研究もあります。

応急処置

凍傷を負ったときに最初にすべきことは患部を温めることです。患部を温水につける場合には37~39℃のお湯で温めるようにします。

ただし、凍傷になると感覚がなくなるため、熱いお湯や暖炉、焚火の前で温めるようなことをすると、やけどをする恐れがあります。また、患部をこすると組織がさらに損傷してしまいます。そのため、40℃以上で温めないようにし、患部をこすらないようにしてください。

また、凍傷の人は中心体温(体の中心部の温度)が低下している可能性もあるため、全身を温かい毛布でくるむなどして更なる体温低下を防ぎ、可能であれば患部や全身を温めながらすぐに病院を受診しましょう。

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